日本ダルクローズ音楽教育学会創立30周年記念論文集
リトミック研究の現在
日本ダルクローズ音楽教育学会=編
本書は、日本ダルクローズ音楽教育学会創立30周年を記念して編集されたものである。ダルクローズがリトミックを世に問うたのが1905年。その後約100年を経た現在、そのアイデアは新鮮さを失っていない。むしろリトミックは奥深さを秘めて輝いている。ここに掲げられた24編の論文は、様々な角度からその輝きの根拠を描き出し、音楽教育の本質に真摯に迫っている。
本書は<現在>もっとも新しいリトミック研究の視点が含まれている。音楽教育に関心をお持ちの方、そして音楽を愛する人に是非とも読んでいただきたい。
ISBN4-87603-304-8 C3073
開成出版、定価3150円(本体3000円+税)
A5版、320ページ、2003年11月23日発行
一般の書店で注文購入できます。お急ぎの方は、開成出版あるいは国立楽器(東京)へお問い合わせ下さい。
刊行にあたって | 福嶋省吾 | iii |
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第1部 リトミックの歴史と理論を築く | ||
河口道朗 | ダルクローズ音楽教育思想の今日的意義 -『リズム・音楽・教育』をめぐって- | 2 |
板野和彦 | リュシーとジャック=ダルクローズによるフレーズについての見解に関する一考察 | 15 |
福嶋省吾 | 日本におけるリトミック教育の歴史的概観 | 25 |
関口博子 | ダルクローズ・ソルフェージュとペスタロッチ主義 | 40 |
山名 淳 | 「祝祭劇場」の変遷にみるドイツの歴史 -田園都市ヘレラウにおけるE.ジャック=ダルクローズの遺産とその継承- | 50 |
江間孝子 | 日本におけるリトミック教育の概念に関する諸問題 | 65 |
長尾満里 | 日本の音と身体の動き -日本の民俗芸能の「リトミック教育」への教材化試論- | 77 |
塩原麻里 | 身体を通した音楽理解:身体図式の概念を中心として | 91 |
山下薫子 | リトミックは音楽の知覚をどのように変えるのか -エコロジカル・アプローチによる再考- | 107 |
武石宣子 | リトミックの教育思想の源流 | 118 |
神原雅之 | リトミックにおける即興演奏の意味 | 130 |
第2部 リトミックの実践に学ぶ | ||
森きみえ | 音楽身体表現への私案 | 142 |
鎌形由貴乃 | 乳幼児の生活とリトミック | 161 |
伊藤仁美 | 小学校2年生におけるリトミック的身体表現の試み -即興的な動的造形の創造を通して- | 175 |
鈴木恵津子 | 保育者養成校におけるピアノ指導に関する一考察 -グループレッスンへのリトミックの応用- | 183 |
高倉弘光 | 「総合的な学習の時間」におけるリトミック教育実践の可能性について | 195 |
佐怒賀悦子 | 音楽専門教育におけるソルフェージュへのリトミックの応用に関する考察 -リズムからのアプローチ- | 206 |
中館栄子 | 音楽・動き・光によるアンサンブル考 -音楽の身体的オーケストラ化を通して- | 220 |
板野晴子 | ソルフェージュにおける音階練習に関する一考察 -ジャック=ダルクローズとコダーイのメソードの比較を視点として- | 232 |
櫻井靖子 | ハノーファー音楽大学におけるリトミック -リトミック教育の体験的日独比較- | 244 |
第3部 関連領域の研究からリトミックの展望を探る | ||
今川恭子 | 生活に芽生える子どもの音楽的表現 | 256 |
後藤田純生 | 歌あそびからはじまる音楽学習 | 267 |
佐野 靖 | 「音楽と動き」が開く音楽学習の可能性 -ドイツの実践構想と史的展開を手がかりとして- | 282 |
中山裕一郎 | 日本におけるリトミック研究の現状分析と今後への課題 | 296 |
編集後記 | 神原雅之 | 309 |
創立30周年記念論文集編集委員会
板野和彦、江間孝子、神原雅之(委員長)、塩原麻里(幹事)、中山裕一郎、福嶋省吾、山下薫子
板野和彦、江間孝子、神原雅之(委員長)、塩原麻里(幹事)、中山裕一郎、福嶋省吾、山下薫子